慢性肩こり

下記のような肩コリは重症です。放っておかないで一日でも早く治療を！

コリが強く、そのために眠りが浅い。

朝起きたときから強い疲労感、コリ感がある

コリがひどいときは吐き気をともなう。

コリの感覚を通り越し、逆に感覚が鈍くなっている

第一の原因は緊張、ストレスでしょう。
さらに突き詰めて言うと、それらがもたらす自律神経の緊張（交感神経優位）です。
その随伴症状として肩こりは起きています。
だから、肩だけの問題ではなく、根治には自律神経を整える全身治療が必要です。
肩を強く揉んだり、肩にたくさん鍼を刺しても、程なく元に戻ってしまうのもそのせいです。
また、几帳面な人、責任感の強い人ほど肩はこりやすく、おおらかな人、いい加減な人ほどこりにくいのも納得できます。

ズバリ、それは肩の筋肉の緊張です。
そしてあのコリという独特の感覚は、硬くなった筋肉が周囲の感覚神経を圧迫することで起こしているのです。
それが昂じるとコリから痛みの感覚に変わり、さらに悪化すると神経が麻痺してしまうのか、感覚が鈍くなり、肩はパンパンで岩のようなのに、コリも痛みももはや感じず、ただドーンと重たく不快、という末期症状にいたります。

はり灸は自律神経を整えることがとても得意です。
①まず仰向けで手足の大事なツボにはりを刺し、全身を「自律神経が整いやすい状態」を作ります。
②次にうつ伏せで背中と背骨の18個ものツボにクリームを塗り、その上にお灸を載せて点火する、ソフトな温灸を行います。
この温灸は10人受けたら10人が皆寝落ちしてしまう程に自律神経を整える力があります。そう！寝落ちするということは緊張状態（交感神経優位）→リラックス状態（副交感神経優位）と自律神経が整えられる証なのです。

さて、コレが問題です。昔から「肩こりが治せれば、それは名人」と言われてきた所以です。しかし、おそらく「名人」をもってしても肩こりは治せないでしょう。
理由はズバリ「自律神経の緊張が続けば、肩はいずれこる」からです。
ストレス多き現代において自律神経緊張を逃れることは不可能です。
しかし、治せなくても肩こりをコントロールはできます。それがはり灸の役割です。
そこで大切なのはコリが戻るのならば、「どの位で戻るのか」、という点です。
マッサージだけでは3日で戻っていた肩こりがはり灸治療で1週間、２週間と効果が持続していき、「コリの戻りにくい体質」に変わっていきます。
やがて、1か月に1回程度のはり灸治療でコリから解放された人生を楽しむことが出来るようになります。そして、そのコントロール能力こそがはり灸の真骨頂なのです。
なお、肩こりは肝臓・胆嚢疾患、心臓疾患、高血圧、鼻咽喉疾患、更年期障害などを原因に現れることがあり、その場合これら原因疾患の治療を並行して行う必要があります。