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PART1 「自律神経ってどんな神経?
PART2 「自律神経の働きをもっと詳しくおしえて?
PART3 「自律神経失調症ってどういう状態?
PART4 「自律神経失調症の原因は?
PART5 「自律神経失調症にはどんな症状があるの?
PART6 「自律神経失調症に間違われやすい他の病気を教えて?
PART7 「自律神経失調症は東洋医学ではどうとらえているの?
PART8 「鍼灸治療は自律神経失調症にどんな治療を?
PART9 「どれ位の周期でどの位の期間治療を受ければよいの?

PART1「自律神経ってどんな神経?」

自律神経
「自律」というのは自ら律していること、つまり意図しなくても勝手に働いている神経です。具体的には心臓や胃腸など、内臓を動かしている神経です。

運動神経
一方これに対して筋肉を動かしてるのはご存知運動神経です。これは「動け!」と意図して働く神経です。

PART2「自律神経の働きをもっと詳しくおしえて?」

自律神経には2種類あります。
①交感神経
緊張や興奮した体の状態を作る神経です(仕事中や運動中など)。
具体的には心拍数があがる、呼吸が早くなる、筋肉が緊張する、末梢血管が縮まる、胃腸の活動を抑制、などです。

②副交感神経
リラックスした体の状態を作る神経です(睡眠中や食事中など)。
具体的には心拍数がさがる、呼吸が遅くなる、筋肉が弛緩する、末梢血管が拡がる、胃腸の活動を促進、などです。


さて、ここで大切なのは交感神経と副交感神経は上記の通り全く正反対の働きをし、まるでシーソーのような関係にあることです。

そして交感神経に傾いた状態を交感神経優位(緊張状態)、副交感神経に傾いた状態を副交感神経優位(リラックス状態)、と呼びます。

日中のお仕事中や運動中は、精神は集中し戦闘体勢。拍動や血圧は高まり、まさに交感神経優位の状態にあります。

一方、夜布団にはいり休むときは、体の力は抜けリラックス。拍動や血圧も下がり、副交感神経優位の状態に切り替わります。

さてここで最も大切なのは、このように『TPOに応じた交感神経と副交感神経の上手な切り替え』が実は体内で行われていて、それにより呼吸、血液循環、消化吸収、排泄、発汗、体温調節、睡眠などのバランスが24時間365日保たれているということです。

~自律神経の「シーソー」関係の詳細~
  交感神経(緊張状態) 副交感神経(リラックス状態)
瞳孔 大きくなる(ビックリ) 小さくなる(リラックス)
唾液腺 ネバネバで少量(運動時) サラサラで多量(食事中)
末梢血管 収縮(手足は冷える) 拡張(手足は温か)
気道 拡張(大量に吸気) 収縮(少量の吸気)
血圧 上昇 下降
心拍 早くなる 遅くなる
筋肉 緊張(肩がこる) 弛緩(肩は柔らか)
血糖値 上がる 下がる
消化吸収 抑制(胃腸は働き難い) 促進(胃腸は良く働く)
膀胱 弛緩(尿を我慢) 収縮(排尿)

自律神経失調症について

PART3「自律神経失調症ってどういう状態?」

『TPOに応じた交感神経と副交感神経の上手に切り替え』により、呼吸、血液循環、消化吸収、排泄、発汗、体温調節、睡眠、などのバランスがコントロールされていることは上記でお話したとおりです。

しかし様々な原因でこの『切り替え』がうまくいかなくなると、バランスが崩れ、例えば食事をしても胃が働かず、胃もたれをおこしたり、夜布団に入っても寝付けない、

手足が冷えて顔がのぼせる、会議に出ても眠くて仕方ない、デスクにむかっても何もやる気が出ない、などといった症状が現れます。

これらがいわゆる自律神経失調症と呼ばれる状態です。
なお、下記の自律神経失調症に間違われやすい他の病気を教えて?もご参照ください。

PART4「自律神経失調症の原因は?」

では自律神経が乱れて『交感神経と副交感神経の切り替え』がうまくいかなくなる様々な原因とはなにか、考えていきましょう。その最たるものは、ずばりストレスです。

自律神経をコントロールしている大元は脳の視床下部と呼ばれる部分です。
この視床下部は怒り・恐怖といった原始的感覚に非常に敏感に反応するため、ストレスを受けた際に自律神経にダイレクトに影響が及ぶのです。

では自律神経を乱す原因となるストレスにはどんなものがあるのかを具体的に見て行きましょう。

  1. 精神的ストレス
    例えば毎日目の前に大嫌いな上司が座っている場合、自律神経は交感神経優位の状態(緊張状態)にシーソーが傾き、これが長期間に及ぶと、

    夜布団に入っても緊張状態が続き、副交感神経優位の状態(リラックス状態)へ切り替えることが出来なくなります。

  2. 生活リズムの乱れ
    次に、昼夜のリズムの不規則の状態、あるいは逆転している状態、これらも自律神経を乱す原因となります。いわば肉体的ストレスです。

    「体内時計」の存在にも象徴されるように、人体はそもそも昼活動し、夜休息するように出来ていて、自律神経もそれにあわせたメカニズムになっているからです。

  3. 環境の変化
    転職、転勤、引っ越し、結婚、定年退職、季節の変化など。これらも表現を変えれば、環境変化への対応で生じるストレスといえ、自律神経を乱れさせます。
  4. 体質的要因
    もともと敏感な体質で、自律神経の働きも過敏な方はそれを乱しやすい傾向にあります。実はこうした方々ははりきゅう刺激に対しても敏感に反応するため僅かな刺激で良く効くケースが多いです。
  5. 性格的要因
    最後に性格的な要因も自律神経のバランスを崩す原因に挙げられます。神経質、几帳面、完璧主義、責任感が強い、記憶力が良い、こだわりが強い、

    こうした性格の人はストレスを自ら作り出したり増幅させてしまう傾向があり、ストレスの影響を受けやすく自律神経を乱しやすいといえます。

PART5「自律神経失調症にはどんな症状があるの?」

~自律神経失調症の症状~
頭痛、頭重感
耳鳴り、耳閉塞感、めまい
ドライマウス、口が苦い
疲れ目、ドライアイ、瞼のけいれん、眼圧上昇
のど のどの異物感、吐き気
皮膚 肌荒れ、かゆみ
心臓 動悸、胸の圧迫感、不整脈、血圧上昇
呼吸器 息苦しい、息が吸いづらい、呼吸が早い、胸がつかえる
消化器(胃、食道) 胸やけ、胃液の逆流、胃酸過多、胃痛、胃もたれ
消化器(腸) 下痢、便秘、ガス
消化器(膵臓) 血糖値上昇
膀胱 頻尿
婦人科 生理不順、PMS
男性 性欲減退、会陰部の不快感
筋肉 後頭部のコリ・痛み、頸肩コリ
全身症状 手足の冷え・しびれ、のぼせ、多汗、微熱、全身倦怠感、不眠傾向
精神状態 不安感、ソワソワ感、イライラ、落ち込み、やる気が出ない、クヨクヨ考えてしまう
その他 肩こり、腰痛、頻尿、多汗、冷え症、手足の冷えしびれ

自律神経失調症の特徴は、

  1. 複数の症状の自覚があるのに、病院で検査をしても異常が出ない。また、
  2. いくつかの症状が同時に現れる、そして
  3. 症状が出たり消えたり、調子がよくなったり悪くなったりする
  4. ということです。

    さて、ここで大切なのは、これらさまざまな症状の根本原因が、自律神経の失調(『交感・副交感の切り替え』困難状態)であることが見逃されがち、ということです。

    よって、忘れてならないのが上記の複数の症状だけを抑えようとするのではなく、大元の自律神経を整えなければ根本治癒は望めないということです。

PART6「自律神経失調症に間違われやすい他の病気を教えて?」

自律神経失調症に間違われやすい病気としては、更年期障害、神経症、うつ病などが挙げられます。

日本心身医学会によれば、自律神経失調症とは「種々の自律神経系の不定愁訴を有し、しかも臨床検査では器質的病変が認められず、かつ顕著な精神障害のないもの」としています。

つまり検査をしてもわからないものをとりあえず「自律神経失調症」としておきましょう、といったいわゆる「バスケットネーム」的な実情があります。

この条件で考えれば、検査でホルモン分泌の異変が出る更年期障害や、精神障害にはいる神経症やうつ病は自律神経失調症には含まれません。しかし、それらの病気が自律神経の失調という症状を呈していることは事実です。

よって当院の鍼灸治療では上記3疾患に対しても自律神経を調える治療を併せて行います。

PART7「自律神経失調症は東洋医学ではどうとらえているの?」

実は東洋医学ではもう何千年もまえからストレスが自律神経に悪影響を及ぼすとした考えが存在し、『素問』とよばれる古典にも書かれています。もちろん「自律神経」とか「ストレス」という言葉は出てきませが・・・。

それは「七情」あるいは「五志」と呼ばれる感情が度を過ぎると「五臓」を傷る(異状をきたす)とした概念です。具体的には、

  • 怒りすぎると肝に異状をきたす
  • 喜びすぎると心に異状をきたす
  • 思いすぎると脾(胃腸)に異状をきたす
  • 憂いすぎると肺に異状をきたす
  • 恐がりすぎると腎に異状をきたす
  • とした概念です。実はこれらは現代医学的にもあてはまるところがあり、例えば何億円という宝くじが当たり、喜びすぎて心臓発作を起こしたという複数の事例は良く知られています。

    また、思い(悩み)すぎて胃潰瘍になった、という例は多くの人が経験しているところでしょう。

    大昔から自律神経の乱れはこのように問題視され、どうにかしなければと賢人により色々治療法が考案されてきたものが、現代の鍼灸治療へ脈々と受け継がれてきたものと推測されます。

    PART8「鍼灸治療は自律神経失調症にどんな治療を?」

    東洋医学では自律神経の乱れた状態を「気・血・津液」の滞った状態ととらえます。そしてそれらの流れを通すことで、自律神経の調整をはかります。

    ここで言う「気」とは目に見えない概念であり、「血」は今で言う血液に近い概念、「津液」とはリンパ液に近い概念といわれています。これら三者が時間にして約30分かけて全身を1周していますが、これにより各内臓器官が正常に機能しているのです。

    しかし、精神的ストレスなどによりこれらのいずれかが滞ったとき、関連する内臓器官が異状をきたすと考えるのです。

    具体的な治療法の概略は「当院の診察法」と「当院の治療法」でご説明した方法と同様です。つまり脈診や腹診、火穴診、局所診などで全身の状態をまずチェックして、デコボコを感知したところ(痛みが出たところ)をツボ刺激で平坦に(無痛に)していきます。

    ~自律神経が乱れた際(交感神経優位の状態)のよくある所見~


    弦を弾くようなビーン・ビーンとした脈(弦脈)
    緊張を表す、弦脈より細くとがった、ピーン・ピーンとした脈(緊脈)
    1分間に80~90回を数える早い脈(数脈)


    どこを押さえても痛みが出る
    ヘソの下に突き上げるような拍動を触知する

    火穴
    土踏まずを押すと痛みがでる
    まずはこれらの所見を正常化するために手足のツボを用いた全身調整治療を行います。

    次に自律神経調整に特化して用いるツボとして

    1. おヘソ周りの4点
    2. ふくらはぎ3点
    3. 手足の指の付け根
    4. 足の指の裏
    5. 背骨の臀裂の始まるところ
    6. 脊柱起立筋や広背筋の緊張を弛めるツボ

    以上のいずれかを組合わせて、気・血・津液の流れの滞りを通して行くことで自律神経を調えて行くのです。

    なお、この例とは逆に副交感神経優位となった症例(常に眠たい、やる気がでない、など)では上記とは部分的に異なる治療を行っております。

    鍼灸には神経や内臓器官が興奮しているときには鎮静させ、機能低下しているときには活発にするといった双方の調整作用があります。

    PART9「どれ位の周期でどの位の期間治療を受ければよいの?」

    症状の度合いに個人差があり一概には言えませんが、症状が重い場合には週に1回60分鍼灸マッサージ・整体併用コース(6,850円、税込)をおすすめしております。

    例えば発症して1週間のギックリ腰であれば治療期間を約1週間みていただきます。
    3年間患っている頭痛であれば「3年間くらいは覚悟しましょう」とひとまず目安としてご案内します。

    そして症状がすっかり落ち着いたら予防も兼ねて月1回の定期的な全身治療をおすすめしております。
    (「患者様の声」の“自律神経症状が楽になった”をご覧ください)

    はり灸がよく効く症例

    ギックリ腰(急性腰痛) 自律神経失調症 慢性腰痛 坐骨神経痛 寝違い 慢性肩こり 頚椎症 五十肩 膝関節痛 慢性頭痛 不眠症 月経困難 便秘症 パニック障害 更年期障害

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