階段の上り下りが辛い。
変形性膝関節症で治らないと言われた。
60歳 女性 主婦
膝関節痛Q&A
- あなたの膝の痛みはどんなタイプ?
- 立ち上がるときに痛む
- 動作を開始するときに痛む
- 階段を昇るより降りるときに痛む
- 正座が出来ない
- 膝に水がたまる
- 変形性膝関節症といわれた
- 朝起きたときに両膝がこわばり痛む、時間とともに少し和らぐ
上の5つは、多くは膝の軟骨が擦り減り、骨と骨との間隔がせまくなることで起こる(もちろんそうしたケースだけではありませんが)症状で、これが進むと6つ目の変形性膝関節症という状態に行き着く場合があります。
また、最後の7つめは両膝対称の痛み、朝のこわばりという点で関節リウマチの可能性もあり、場合によっては医師の診断を仰ぐ必要があります。
ここでは中高年の膝痛で最も多い、変形性膝関節症あるいはその予備軍について取り上げます。
膝の関節はモモの大腿骨とスネの脛骨とからなります。
それぞれの骨の先端は軟骨で覆われていますが、この軟骨が擦り減ってしまい大腿骨と脛骨との間隔が狭まると、
①関節が変形し、関節を包む関節包が引き伸ばされたり、
②はがれた軟骨(軟骨には神経はない)のかけらにより滑膜(関節包の内側)に炎症がおきたり、
③骨同士が直接ぶつかり(骨には神経がある)痛みが生じます。
①筋力が低下 して膝の安定が悪くなると軟骨が減りやすくなります。
②肥満 すると、体重の2~3倍の力が膝にかかりやはり減りやすくなります。
③加齢 による軟骨の劣化で減りやすくなります
④半月板損傷 すると関節が不安定になり軟骨が減りやすくなります。
はりで減った軟骨をもとに戻すことは出来ません。
しかし、関節包が引き伸ばされておきる痛みや、骨と骨とがぶつかって生じる痛みを抑えることは出来ます(はり灸はどんな効果?の「③鎮痛効果」をご参照)。
また、滑膜に起きた炎症を抑えることも可能です(同「消炎効果」をご参照)。
なお、これは余談ですが、膝の治療を行う場合、足の指の付け根のツボにはりをして膝周辺の気の流れの滞りを通します。
そして次に膝周りを丹念に圧して痛むポイント(圧痛点)を探し出し、そこにごく浅いはり又はお灸をしていきます。
それが当院で行っている膝のはり灸治療です。
もはやはり灸で痛みや炎症を抑えても、歩けるようには出来ない場合があります。
そうした場合はやはり整形外科で人工関節に換えてもらうことを検討する段階です。
最近の人工関節の技術の発展には目覚しいものがあり、変形で歩行できなくなった方が手術を検討する価値は大いにありと考えます。
ただあまりにご高齢の場合には無理な場合があります。
私の義理の母は83歳で両膝を人工関節に手術し、再びスタスタと歩けるようになり笑顔を取り戻した一人です。
はり灸がよく効く症例
ギックリ腰(急性腰痛) 自律神経失調症 慢性腰痛 坐骨神経痛 寝違い 慢性肩こり 頚椎症 五十肩 膝関節痛 慢性頭痛 不眠症 月経困難 便秘症 パニック障害 更年期障害